岡崎律子通信
Sincerely yours, vol.3
1995 winter
 また新しい一年が始まりました。日めくりカレンダーも、まだ新しく、ぶ厚くて、いい感じ。今年も「くよくよせずが健康の第一歩」や「仕事をする時は上機嫌でやれ」など、おっしゃるとおり!の言葉が満載です。  '94年のしめくくりは、私にとって初めてのキャンペーンでした。九州(福岡・長崎・佐賀)へ、2泊3日の旅を2回。ラジオのゲスト出演や番組の録音、それに新聞や雑誌の取材などです。決められたスケジュールで動いていく、充実した一日。次々と初対面の人と会い、話もする。夜、おいしいものを食べてからホテルへ帰り、その日が終わります。  そして、部屋にひとり。とにかく、一日中たくさんの人と会いますから、夜、初めてひとりになれて、すごくほっとします。楽しかったから疲れてはいないし、夜景もきれい。でも、ふと気がつくと、そこは、シーンとしすぎている。芸能人コワイ話特集で聞いたような、「夜中に目を覚ますと、突然シャワーの音が♠」とか、「そこは20階なのに窓の外に女の子が♠」など、わぁ、やめて…というような話を次々と思い出してしまい、なかなかスリリングな夜を過ごしました。


 取材では、質問に対して、ひとことでバシッと答えるのが、むずかしい。これしかない、と思うけれど、どれでもいい、という気もする。今日はこう思うけれど、明日は違うかも…では、相手の人も困ってしまうでしょうし、と言って、「それでは、こういう事ですねっ。」と決めつけられてしまうのでは、私がちょっと困る…。
 大体、ひとつの事についても「これでいいんだ」と確信をもてる時と、「いや、いいのかなあ」と迷う時があるし、たとえば、人や外から見た“幸せ”と、自分の感じる“幸せ”が違う、という時もあって、見回すと、曖昧なことだらけです。そこで、ひとつ、私が考えたのは、ちょっと飛躍しますが、どんな時にも、自分の人生は自分の人生なのだよ、というのを忘れずにいようということです。これを肝に命じておけば、迷った時も人のせいにはしないだろうし、自分の毎日も、もうちょっと大切に思えるのではないかなあ、と思ったので。


 さて、新井由美ちゃんからのご質問にお返事を。(編集部補足:岡崎さんの誕生日は、どんな一日でしたか?)
 '94年の誕生日。無事、幸せに過ごせました。でも、12月というのは、やっぱり“暮れ”で“寒くて”、“慌しい”のです。で、ふと考えたコト。たまには、のんびりと違う雰囲気で、この日を迎えてみたいものだ、と思っていた所へ、オーストラリアへ行った友達からクリスマスカードが届きました。「こちらは、真夏のクリスマスです」。そうか、南半球へ行くと、私の誕生日も、太陽の降りそそぐ夏、になるんですね。バリ島など、南の島でもO.K.などと、楽しい想像をめぐらした一日でした。


 時々の手紙や消息は、ほんとうにうれしい。いつも忘れないで下さってありがとう。


 春に向けて、この時期はいつも新しいスタート台に立てる気がします。特に何があるわけでもないけれど、気持ちの「区切り」というのはすごくいい智恵のように思います。風邪の人は、どうぞ早く治ってね。 Ritsuko Okazaki









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